“はこせこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
函迫60.0%
箱狭子20.0%
箱迫20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて中門ちゅうもんより、庭の柴折戸しおりどを静かに開けて、温雅しとやかに歩み来る女を見ると、まぎれもないその娘だ、文金ぶんきんの高島田に振袖のすそも長く、懐中から垂れている函迫はこせこの銀のくさりが、そのおぼろな雪明りに
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
濡れても判明はっきりと白い、処々むらむらとが立って、雨の色が、花簪はなかんざし箱狭子はこせこ輪珠数わじゅずなどが落ちた形になって、人出の混雑を思わせる、仲見世の敷石にかかって、傍目わきめらないで、御堂みどうかたへ。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紫の矢絣やがすり箱迫はこせこの銀のぴらぴらというなら知らず、闇桜やみざくらとか聞く、暗いなかにフト忘れたように薄紅うすくれないのちらちらするすごい好みに、その高島田も似なければ、薄い駒下駄に紺蛇目傘こんじゃのめそぐわない。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)