“なくね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鳴音46.2%
泣音38.5%
啼音15.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どこやらの溝池どぶいけでコロコロとかわず鳴音なくねを枕に、都に遠い大和路の旅は、冷たい夜具やぐの上——菜の花の道中をば絶望と悔悟かいごつ死の手に追われ来た若者……人間欲望の結局に泣いて私は
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
蒸々むしむしと悪気の籠った暑さは、そこらの田舎屋を圧するようで、空気は大磐石に化したるごとく、嬰児みどりご泣音なくねも沈み、鶏のさえ羽叩くにものうげで、庇間ひあわいにかけた階子はしごに留まって
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小鳥の啼音なくねが聞こえて来る。冬陽が明るく射している。静かで清らかで平和である。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)