“とうほん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
唐本60.0%
謄本20.0%
逃奔10.0%
搨本10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは十二三冊の小さな黄表紙きびょうし唐本とうほんで、明治四十年ごろ、私は一度浅草の和本屋で手に入れたが、下宿をうろついている間に無くしたので、この四五年欲しいと思っていた。
妖影 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
続いて辞令を、謄本とうほんを、それから空っぽの蟇口を。
地図にない街 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
同志ひそかに此処ここつどいては第二の計画を建て、磯山逃奔とうほんすともいかで志士の志の屈すべきや、一日も早く渡韓費を調ととのえて出立の準備をなすにかずと、日夜肝胆かんたんくだくこと十数日
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
しかるに、磯山は、弥〻いよいよ出立というその前日逃奔とうほんし、更にその潜所せんしょを知るあたわず。ゆえを以てむなく新井あらい代りてその任に当り、行く事に決せしかば、彼もまた同じく、のうに同行せん事を以てす。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
これは檉宇の撰んだ碑文に言われている。碑文の搨本とうほんをわたくしは市河三陽氏から借覧した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)