“ただもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
只者30.4%
唯者30.4%
凡者26.1%
凡物8.7%
唯物4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と同時に、どう考えても相手の腕のえを認めないわけにはゆかないことです。そこで兵馬は、かの天蓋の男が只者ただものでないということを考えました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
老人はそらうそぶいて取り合おうともしない。こいつ油断がならないぞ。ヨボヨボしたおやじだけれど、眼の色が唯者ただものではない。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
勿論、凡者ただもの所業しわざではない、夕方、横川をわたって飯室谷いいむろだにへかかった天城四郎とその手下どもの襲ったことから始った事件であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
果たしてこの猫背の老僧は凡物ただものでなかったのである。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まったくあの女は唯物ただものではござらなんだ。あれが世にいう鬼女でござろう。」
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)