只者ただもの)” の例文
だが、船長は曾呂利を一目見るより、これは只者ただものでないと、にらんでしまったので、ゆだんなく彼のうえに、気をくばる。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と同時に、どう考えても相手の腕のえを認めないわけにはゆかないことです。そこで兵馬は、かの天蓋の男が只者ただものでないということを考えました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「犯人は、只者ただものじゃない。チャン爺さんを殺すことなんか、にわとりの首をしめるほどにも感じなかったんだろう」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
どうやらお前さんも只者ただものではないようだ、まだ枯木となって、世の春にそむく年頃でもあるまい
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あんな不利な映画まで撮ったノルマンという船長は、只者ただものではないぞ。汽船きせんだって、ノールウェー汽船といっているが、そうじゃあない。ここは、こっちの負けだ。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「今日のは悪友じゃない、坊主に会って来るのだから、いよいよ安心なものだ、その坊主も只者ただものではない、エライ豪傑坊主だということだから、こっちが望みで会いたいのだ」
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「兄貴の前へも面目が無え。それにしても、あの遊行上人という坊主は只者ただものじゃねえな」
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)