“せんえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
染衣100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
染衣せんえそでにすがりついて、ふと、網代笠あじろがさの下からあおいだ伊那丸いなまるは、あッといって、ぼうぜん——ただぼうぜん、その手をはなしてこういった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
染衣せんえそであやにしてうしろにからげ、手には、禅杖ぜんじょうをふりまわして、曠野こうやをはしる獅子ししのごとくおどりこんできた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かたちこそ、染衣せんえまとっておりますなれど、蓄妻ちくさい噉肉たんにくの俗に馴れて、いまだに、美食玉住の在家ざいけをふり捨てもかなわず、こうしてただ心とおこないとに、大きな矛盾を持ちながら念仏を申しておることゆえ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あやうく鉄杖てつじょうの二つどうにされそこなった佐分利さぶり五郎次、井戸がわから五、六尺とびのいてきッと見れば、鎧武者よろいむしゃにはあらず、黒の染衣せんえかろやかに、ねずみの手甲てっこう脚絆きゃはんをつけた骨たくましい若僧わかそう、いま
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)