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じすけ
それから、
治助じいさんが、
自分の
小舎にもどって、まだ
間がなかったのでした。どこからか、
風におくられて
手風琴の
音がきこえてきたのでした。
芝居の話も
詳しく、知ったか振りをしたぼくが
南北、
五瓶、正三、
治助などという
昔の作者達の
比較論をするのに、上手な
合槌を打ってくれ、ぼくは今夜は
正に自分の
独擅場だなと得意な気がして
ひとり、
村をはなれて、
山の
小舎で
寝起きをして、
木をきり、
炭をたいていた
治助じいさんは
自然をおそれる、
街の
人たちがなんとなくおかしかったのです。