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しんぢ
誠に奇妙なる
鍼醫師是あり私し儀も至つて
癪持にて難儀仕つりし處
不※渠が
鍼治にて全快いたし其後
暫時發り申さず實に上手なる由申述ける故越前守殿
此由を
致させしに
胸先より
小腹の邊りへ一二
鍼打や
否や立所に全快致しけり勇右衞門は
持病ゆゑ
寒暖に付て
發る時は急に
治まらぬ症なるに城富の
鍼治にて早速
快氣なりける故大いに喜び紙に
包て金二百疋を
下へとの大騷ぎとなり
幸ひ城富は
鍼治に
妙を得たる故
直樣療治を
捨るは
孝道に相違無けれ共能承まはれ其方は一
旦城重方へ養子と
成針治導引の指南を受し上手足を