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しよしだい
もつて
遊興なしける中平馬靱負の兩人相尋ねべき
儀是あるに付
所司代御役宅へ差出すべく旨日野殿へ
掛合ありしかば
南無三
寶と思ひ兩人申合其の夜の中に日野家を
逐電して
願山を
苦しめ給ふまじ私し關東へ下り申
開き仕つらん此儀全く稻葉家の
不覺と申ものなれば
頓て歸京仕つり
吉左右申上奉つらんと申て山住は江戸表へ下向致しけるに
所司代よりは豫て此旨
急使を
申せば其は
捨置難しと
早速諸司代へ到り
牧野丹波守殿へ此段申上るに然ば諸司代屋敷へ相招ぎ吟味を
遂相違無に於ては
當表よりも江戸へ
注進すべしと
評定一決し牧野丹波守殿より使者を
誘引大津
迄來しが
不※心中に思ひけるは我々斯三人打連立ては
豫て
諸司代も目を