“しう/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
啾々50.0%
愀々50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
るからに執念の留まれるゆゑにや、常にはせるくわい無きも、後住こうぢうなる旗野の家に吉事きつじあるごとに、啾々しう/\たる婦人をんな泣声なきごゑ、不開室の内に聞えて、不祥ふしやうある時は、さも心地好こゝちよげに笑ひしとかや。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
談話だんわ次手ついでに松川が塾の荒涼たるをかこちしより、予は前日藪をけんせし一切いつさいを物語らむと、「実は……」とわづか言懸いひかけける、まさに其時、啾々しう/\たる女の泣声なきごえ、針の穴をも通らむず糸より細く聞えにき。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
然れども社界の裡面には常に愀々しう/\の声あり、不遇の不平となり、薄命の歎声となり、憤懣心の慨辞となりて、噴火口端の地底より異様の響の聞ゆる如くに、吾人の耳朶じだを襲ふを聴く。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)