“さんごく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
三国77.8%
山国22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
梓山では前記の通り三方山と呼んでいた。故荻野氏の記行には甲州で三国さんごく山と称することが断ってある。しかし今では甲武信岳の名が広く認められて了った。
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
絶食するに至って初めて方便をめぐらすべきである。「三国さんごく伝来の仏祖、一人いちにんも飢ゑにしこごにしたる人ありときかず。」世間衣糧の資は「生得しょうとく命分みょうぶん
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
六月下旬すゑ日射ひざしが、もう正午ひるに近い。山国さんごくの空は秋の如く澄んで、姫神山の右の肩に、綿の様な白雲が一団ひとかたまり、彫出された様に浮んでゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
毎日ひる近くなると、調子面白い喇叭ラツパの音を澄んだ山国さんごくの空気に響かせて、赤く黄く塗つた円太郎馬車が、南から北から、勇しくこの村に躍込んだものだ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)