“さむぞら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寒空90.0%
寒天10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(翌年七銭に値上。)氷あずきなど東京中探したってもうどこにもありはしない寒空さむぞらに、浅草では依然として氷をかけた愛玉只を売っているのだ。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
寒空さむぞらに月が凍りつくように光っている夜だったよ。私を山へ連れて登ってくれというのだ。私は比叡山ひえいざん女人禁制にょにんきんぜいで女は連れて登るわけに行かないと断わったのだ。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
都のちまたには影を没せる円太郎馬車の、寂然せきぜんと大道に傾きて、せたる馬の寒天さむぞらしてわらめり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
妾はまた彼を愛して、はては互いに思い思われ、妾の入浴するごとに彼は来りてあかを流しくれ、また夜にればとこを同じうして寒天さむぞらこおるばかりの蒲団ふとんをば体温にて暖め
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)