寒天さむぞら)” の例文
都のちまたには影を没せる円太郎馬車の、寂然せきぜんと大道に傾きて、せたる馬の寒天さむぞらしてわらめり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
妾はまた彼を愛して、はては互いに思い思われ、妾の入浴するごとに彼は来りてあかを流しくれ、また夜にればとこを同じうして寒天さむぞらこおるばかりの蒲団ふとんをば体温にて暖め
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)