“けんえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嫌厭56.5%
倦厭17.4%
慊焉13.0%
犬猿8.7%
妍艶2.2%
賢媛2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつのまにか義経の胸は、兄に対する嫌厭けんえんでいっぱいになっていた。黄瀬川の宿で初めて会った時とは正反対な兄を見るここちがした。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
強烈にわれわれを魅するということはないが、倦厭けんえんして、唾棄だきし去るという風景でもありません。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
元来家屋はレスパネエ夫人の所有なりしに、宝石商これを借り受けをり、濫に上層を他人に又貸ししたる故、夫人はその所為に慊焉けんえんたるものあり。
というのは先生と我輩とは以上の如く犬猿けんえんの間柄で、一方は民間学者の暴れ者、一方は役人の暴れ者、これを噛み合してみたら面白かろうというので、いわば悪戯者いたずらものどもが
もし、妻女、娘などがあったら、さぞ妍艶けんえんであろうと察しらるる。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
収入満とうなるといえども、常住の寡慾かよくもやらで、慈善のよくは極り無く、貪るばかりに取込みても人に施すにはいまだ足らずと、身をにし、骨を折る、賢媛けんえん閨秀けいしゅう難有ありがたさよ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)