“くがち”の漢字の書き方と例文
語句割合
陸地100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飛出とびいだしける故主は何事なるやと狼狽うろたへながら後より追馳おひかけ行しに其はやき事とぶが如く勿々なか/\追着おひつく事能はず待ね/\と呼止よびとむれど靱負は一向みゝにも入ず足に任せて馳行はせゆきしがやが海邊うみべに到りなみの上を馳行はせゆく陸地くがち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまもってみなの亡骸なきがらを雑倉にとりおさめてあるが、このになっても陸地くがちに辿り着かぬのは、ああいうものを船に置いてあるので、その穢れで祟りを受けているのではあるまいか。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さて、おぬしたちはみな成仏したことだから、わしの言うことを、ほとけの心でおだやかに聞いてくれるだろう。おぬしたちの亡骸のことだが、こうしていてもいつ陸地くがちへ着くという当てもない。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)