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がこさんじん
着したるは遠藤屋彌次六一號
鵞湖山人なり
孰も
整々として控たれば四人の者は思はず
發と計りに
平伏す時に天一坊
聲清爽に其方共此度予に
隨身せんとの願ひ
神妙に存ずるなり
依父上より
賜はりし
證據の御品拜見さし許し主從の
盃取らすべしとの
詞の下藤井左京は彼二品を
突へ申けるは徳川と
名乘せ給ふには
定めて
仔細ある御方なるべし
某事は信濃國
諏訪の者にて
遠州屋彌次六と申し
鵞湖散人また
南齋とも名乘候
下諏訪に
旅籠屋渡世仕つれり若も
信州邊へ御下りに成ば
見苦くとも御立寄あるべし御宿仕らんと云にぞ寶澤は
打點頭扨は