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かもつれっしゃ
あくる
日の
夜は、はや、
暗い
貨物列車の
中に
揺すられて、いつかきた
時分の
同じ
線路を、
都会をさして
走っていたのであります。
母はときどき手のひらに
息をはきかけては仕事をすすめていった。
静かだ。遠く
線路を走ってゆく
貨物列車のとどろきが、
壁をゆすぶるようにはっきり聞こえてくる。
あくる
日の
町の
新聞には、
運転手がむだ
目を
見たために、
貨物列車を
脱線さしてしまったことを
大きく
書いていました。