“おざさ”の漢字の書き方と例文
語句割合
小笹100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
地震で焼けた向島むこうじまの梵雲庵は即ち椿岳の旧廬きゅうろであるが、玄関の額もれんも自製なら、前栽せんざい小笹おざさの中へ板碑や塔婆を無造作に排置したのもまた椿岳独特の工風くふうであった。
二人が押開く柴折戸のすそに触れて垣際かきぎわに茂った小笹おざさの葉末から昨夜ゆうべのままなる露の玉が、ななめにさし込む朝日の光にきらきらと輝きながらこけの上にこぼれ落ちた。種彦は機嫌よく
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
心魂こころも今は空になり、其処そこ此処ここかと求食あさるほどに、小笹おざさ一叢ひとむら茂れる中に、ようやく見当る鼠の天麩羅てんぷら。得たりと飛び付きはんとすれば、忽ち発止ぱっしと物音して、その身のくびは物にめられぬ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)