“うすむらさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄紫73.1%
淡紫26.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あなたは、薄紫うすむらさき浴衣ゆかたに、黄色い三尺をふッさりと結んでいた。そして、「ボオトはきれいねエ」と言いながら、そでをひるがえして真似まねをした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
年は二十はたちばかり。つぶしの島田に掛けたすが糸も長目に切り、薄紫うすむらさきに飛模様のすそを長々と引いているので、肉付のいい大柄な身は芸者というよりも娼妓しょうぎらしく見られた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中の間なる団欒まどゐ柱側はしらわきに座を占めて、おもげにいただける夜会結やかいむすび淡紫うすむらさきのリボンかざりして、小豆鼠あづきねずみ縮緬ちりめんの羽織を着たるが、人の打騒ぐを興あるやうに涼き目をみはりて、みづからしとやかに引繕ひきつくろへる娘あり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
白いあわせに柔らかい淡紫うすむらさきを重ねたはなやかな姿ではない、ほっそりとした人で、どこかきわだって非常によいというところはないが繊細な感じのする美人で
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)