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あきもの
「県の何某が
女のここにあるはまことか」と云うと、
鍛冶の老人が出て、「この家三とせばかり前までは、
村主の何某という人の
賑しくて
住侍るが、
筑紫に
商物積みてくだりし、 ...
此の日や
天晴れて、
六四千里に雲のたちゐもなく、
六五草枕旅ゆく人の
群々かたりゆくは、けふは
誰某がよき
京入なる。此の
度の
商物によき
六六徳とるべき
六七祥になん、とて過ぐ。
此の度勝四郎が
商物買ひて
京にゆくといふをうたてきことに思ひ、
言をつくして
諫むれども、
一四常の心のはやりたるにせんかたなく、
一五梓弓末のたづきの心ぼそきにも、かひがひしく
一六調へて