高臺たかだい)” の例文
新字:高台
淺蜊あさりやア淺蜊あさり剥身むきみ——高臺たかだい屋敷町やしきまちはるさむ午後ごご園生そのふ一人ひとり庭下駄にはげた爪立つまだつまで、そらざまなるむすめあり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宇陀の高臺たかだいでシギのあみを張る。
もつと小石川こいしかは白山はくさんうへ追分おひわけのあたりより、一圓いちゑん高臺たかだいなれども、ひかりうすければ小雨こさめのあともみちかわかず。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ミモロ山の高臺たかだいにある
ひさしい以前いぜんだけれども、いまおぼえてる。一度いちど本郷ほんがう龍岡町たつをかちやうの、あの入組いりくんだ、ふか小路こうぢ眞中まんなかであつた。一度いちどしばの、あれは三田みた四國町しこくまちか、慶應大學けいおうだいがくうらおも高臺たかだいであつた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さかうへから、はるか小石川こいしかは高臺たかだい傳通院でんづうゐんあたりから、金剛寺坂上こんがうじざかうへ目白めじろけてまだあまはひらない樹木じゆもく鬱然うつぜんとしたそこ江戸川えどがは水氣すゐきびてうすよそほつたのがながめられる。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さか兩方りやうはうは、見上みあげてみねごと高臺たかだいのなだれたがけで、……とき長頭ながあたまおもてけたはうは、そらに一二けん長屋立ながやだてあたか峠茶屋たうげぢややかたちに、しもよ、ともやのたゝまりんだ、枯草かれくさうへ
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
以前いぜん牛込うしごめ矢來やらいおくころは、彼處等あすこいら高臺たかだいで、かへるいても、たまにひとふたつにぎないのが、ものりなくつて、御苦勞千萬ごくらうせんばん向島むかうじまめぐりあたり、小梅こうめ朧月おぼろづきふのを
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
半町はんちやうばかりまへを、燃通もえとほさまは、眞赤まつか大川おほかはながるゝやうで、しかぎたかぜきたかはつて、一旦いつたん九段上くだんうへけたのが、燃返もえかへつて、しか低地ていちから、高臺たかだいへ、家々いへ/\大巖おほいはげきして
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またか、とむかしの名僧めいそうのやうに、おしかりさへなかつたら、こゝで、番町ばんちやう七不思議なゝふしぎとかとなへて、ひとつにかぞへたいくらゐである。が、なにめづらしがることはない。高臺たかだいだからへんにはないのらしい。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)