彌々いよ/\)” の例文
新字:弥々
懸けければ此方は彌々いよ/\愕然びつくりし急に顏色がんしよく蒼醒あをざめ後の方を振返るにそれ召捕めしとれと云間も有ず數十人の捕手ふすまかげより走り出なんなく高手たかて小手になは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いとまともならば彌々いよ/\病人びやうにん伯父おぢ心配しんぱいをかけ、痩世帶やせせたいに一日の厄介やくかいどくなり、其内そのうちにはと手紙てがみばかりをりて、此處こゝこゝろならずもおくりける。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
故に只管ひたすら道を行ひ道を樂み、若し艱難に逢うて之を凌んとならば、彌々いよ/\道を行ひ道を樂む可し。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
「貴方、彌々いよ/\お別れですわ。」と女はしみじみした調子で云つた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
おされしに三郎兵衞然樣さやうなりと申しける故彌々いよ/\其方四郎右衞門より借用致したるに相違さうゐなくは右百兩の金に十年の利分りぶん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とは思へど惡事千里といへば折角の辛棒を水泡むだにして、お暇ともならば彌々いよ/\病人の伯父に心配をかけ、痩世帶に一日の厄介も氣の毒なり、其内にはと手紙ばかりを遣りて
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
納め彌々いよ/\其方そのはう取持呉とりもちくれんとならば任する程に能々よく/\仕課しおほせ手に入れよ是は當座の褒美はうびなりと金三兩投出なげいだせしかば七助有難しと押戴おしいたゞくを又不承知なれば其金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
女房にようぼうをだまくらかしてめかけところやう不人情ふにんじやう仕度したくても出來できない、あれだけはらふとゑらいのではらうが、かんがへると此處こゝ旦那だんなおにせうさ、二だいつゞきて彌々いよ/\らうと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一人ひとりかへりますとちいさくるに、こりやこわことい、其方そちらうちまでおくぶんこと心配しんぱいするなと微笑びしようふくんでつむりでらるゝに彌々いよ/\ちゞみて、喧嘩けんくわをしたとふと親父とつさんにかられます
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さてこそ彌々いよ/\學士がくし外妾かこいか、よしや令孃れいぢようぶればとておさとはいづれれたもの
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きやくさまはお二階にかいなりといふともなはるゝ梯子はしご一段いちだんまた一段いちだん浮世うきよきといふことらでのぼくだりせしこともありし其時そのとき酌取しやくとをんなまへはなれず喋々てふ/\しく欵待もてなしたるがをんなもしらば彌々いよ/\面目めんぼくなきかぎりなり其頃そのころ朋友ともいまあそびにんはぢやうものなにぞのは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)