“欵待”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんたい38.5%
もてな23.1%
もてなし23.1%
あしら7.7%
くわんたい7.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
伯父夫妻が凱旋がいせん将軍でも迎える様に欵待かんたいを尽したのは、ほんとうにもっともなことです。
黒手組 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一たび欵待かんたいせられたものは、友をいざなって再び来る。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
鄭成功はつとめて四方の豪傑を招いている際であったので、礼を厚うして彼を欵待かんたいしたが、日を経るにしたがって彼はだんだんに増長して、傲慢無礼ごうまんぶれいの振舞いがたびかさなるので、鄭成功もしまいには堪えられなくなって来た。
彼女は昨日塚本の端書はがきを受け取つたので、いよ/\此処へ連れて来られる珍客を欵待かんたいするために、今朝はいつもより早起きをして、牧場から牛乳を買つて来るやら、皿やお椀を揃へておくやら、———此の珍客にはフンシが必要だと気が付いて
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
保はこれを忍んで数カ月間三人を欵待かんたいした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「私はこの病気が起ると、もうどうすることも出来ないんです。それに家も、これから夏はひまですから、お欵待もてなしをしようと思っても、そうそうはきれないんです」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
われは物語の昔日のあやまちに及ばんことをおもんぱかりしに、この御館みたちを遠ざかりたりしことをだに言ひ出づる人なく、老公は優しさ舊に倍して我を欵待もてなし給ひぬ。
きやくさまはお二階にかいなりといふともなはるゝ梯子はしご一段いちだんまた一段いちだん浮世うきよきといふことらでのぼくだりせしこともありし其時そのとき酌取しやくとをんなまへはなれず喋々てふ/\しく欵待もてなしたるがをんなもしらば彌々いよ/\面目めんぼくなきかぎりなり其頃そのころ朋友ともいまあそびにんはぢやうものなにぞのはしにがことして斯々云々かく/\しか/″\とも物語ものがたりなば何處どこまでらるゝはぢならんとおもへば何故なにゆゑ登樓あがりたるか今更いまさらせんなきことしてけりとおもふほどむねさわがれてあしふるひぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そう言ってきめつけそうな目をして、小野田は疳癪かんしゃくが募って来るとき、いつもするように口髭くちひげの毛根を引張っていたが、調子づいて父親を欵待もてなしていた彼女に寝込まれたことが、自分にも物足りなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
田舎では大した金持ででもあるように、お島が小野田に吹聴しておいた山の客が、どやどややって来たとき——浜屋だけは加わっていなかったが——お島は水菓子にビールなどをぬいて、暑い二階で彼等を欵待もてなしたが、小野田も彼等から
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼は貴婦人のかたちふけりて、その欵待もてなしにとて携へ来つる双眼鏡を参らするをば気着かでゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
古式を重んずる欵待もてなしのありさまが、間もなくそこにひらけた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こは此御館みたちに來てより、始ての欵待もてなしともいひつべし。
お珍しい、お久し振、お見限りと、変ったことのない欵待あしらいに貞之進も少しく胸を撫で、膳より先に小歌をと云うと、はいと女は下りて行ったが、やがてお生憎あいにくさま春泉はるずみへ出て居るそうですと告られて
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
「此頃は新橋ださうですね。若くつて綺麗ですから御無理もありませんけれどねえ。」お糸さんはこんなことを云つてしんから珍らしさうに欵待くわんたいした。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)