“委敷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くはしく28.6%
くわしく28.6%
くはし14.3%
くわし14.3%
くはしい14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と忽ち心一けつ爲し久左衞門はやがて江戸へと久八を連て下り弟六右衞門にあひて事の仔細を委敷くはしく話し頼み置つゝ歸りけりよつて六右衞門所々しよ/\
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しばらくして黄金丸は、鷲郎に打向ひて、今日朱目がもとにて聞きし事ども委敷くわしく語り、「かかる良計ある上は、すみやかに彼の聴水を、おびいだしてとらえんず」ト、いへば鷲郎もうち点頭うなず
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
左様さういふ気心の知れた人なら双方の好都合。委敷くはしいことは出京の上で。と飽迄あくまでも言ひ張る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
われはなんじ毒牙どくがにかかり、非業にも最期をとげたる、月丸が遺児わすれがたみ、黄金丸といふ犬なり。彼時かのときわれ母の胎内にありしが、そののち養親やしないおや文角ぬしに、委敷くわしき事は聞きて知りつ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
小諸こもろ辺の地理にも委敷くはしい様子から押して考へると、何時いつ何処で瀬川の家の話を聞かまいものでもなし、広いやうで狭い世間の悲しさ
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)