“点頭”のいろいろな読み方と例文
旧字:點頭
読み方割合
うなず53.5%
うなづ26.3%
てんとう10.5%
うなずか2.6%
うなずい1.8%
うな0.9%
うなずき0.9%
うばず0.9%
おじぎ0.9%
じぎ0.9%
をじぎ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平次は点頭うなずきました。又左衛門に説明されるまでもなく、釜吉の話や、いろいろの情勢で、そのくらいのことは解っていたのです。
「あゝ名古屋ですか。」純吉は口ばやく繰り返して、努めて邪念なさ気に点頭うなづいた。名古屋といふのは勿論みつ子の代名詞なのだ。
(新字旧仮名) / 牧野信一(著)
莞然にっこりともせず帽子も被ッたままで唯鷹揚おうよう点頭てんとうすると、昇は忽ち平身低頭、何事をか喃々くどくどと言いながら続けさまに二ツ三ツ礼拝した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
奢侈しゃし嫌い、諸事御倹約の殿の事であるから、却って金銀をちりばめたのから見ると本物という事が点頭うなずかれるけれども、これは時として臣下に拝領を許される例もあるので
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
ト文三が手頭てくびを振ッて見せる。お勢は唯点頭うなずい而已のみで言葉はなく、二階を降りて奥坐舗へ参ッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
カラザースは点頭うなずき、ウィリアムソンも肯定した。
首を垂れて聴て居た貞之進は、その時冷たい汗が腋下わきのしたを伝わるとゝもにやゝ安堵し、手紙に書いたまゝの事を、ぽつ/\と句切って繰返すを、そうか/\と庄右衛門は点頭うなずきながら四辺あたりを看廻わし
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
と言う平次の問に、困ったことに点頭うばずいた材木屋は一軒もありません。
のみならず、間髪も入れずに形だけの点頭おじぎをすると、私はさつさと歩きだしてゐた。まあ、あの時の怖ろしい自責後悔、それを思つてもみて下さい。
訣れも愉し (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
彼は例の通り当惑しながら、ちょいと挨拶あいさつ点頭じぎを送った。娘は水甕を頭へ載せながら、眼でその挨拶に答えると、仲間の女たちのあとを追って、やはりくぎくような燕の中を歩き出した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
やがて彼女は急ぎ足に歩んで行つた、赤良顔も窓から猶見送つてゐる、彼女はふりむいて点頭をじぎをした、われもをもはずつて彼女を見送つて居た
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)