“手頭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てさき77.8%
てくび22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お勢が笑らいながら「そんなに真面目まじめにおなんなさるとこうるからいい」とくすぐりに懸ッたその手頭てさきを払らい除けて文三が熱気やっきとなり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
縮緬ちりめん小片こぎれで叔母が好奇ものずきに拵えた、蕃椒とうがらしほどの大きさの比翼の枕などがあった。それを見ても叔母の手頭てさきの器用なことが解った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
翁は、自から大きな鉄槌かなづちを取り上げて、少女の両手を拡げさせて、動脈の打つ手頭てくびのあたりへ五寸釘をち込んで、白木の十字架に打ち附けた。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
ト文三が手頭てくびを振ッて見せる。お勢は唯点頭うなずい而已のみで言葉はなく、二階を降りて奥坐舗へ参ッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)