“てさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手先40.0%
手尖22.5%
手頭17.5%
手端17.5%
掌先2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さうして御米およねかすり羽織はおり受取うけとつて、袖口そでくちほころびつくろつてゐるあひだ小六ころくなんにもせずに其所そこすわつて、御米およね手先てさき見詰みつめてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そうとは知らない爺いさんは、右の手尖てさきだけを畳にいて、腰を浮かせた。そして己の顔を見て云った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
縮緬ちりめん小片こぎれで叔母が好奇ものずきに拵えた、蕃椒とうがらしほどの大きさの比翼の枕などがあった。それを見ても叔母の手頭てさきの器用なことが解った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
わかい男が松明たいまつけてそのあかりまないたの上におとしていた。顎髯の男は魚の腹へ庖丁がとおったので、手端てさきをさし入れてはらわたを引きだした。と、その中からころころと出たものがあった。
岩魚の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
種々いろいろに変って、此方こちらの眼に映った眉毛、目元口付、むっちりとした白い掌先てさき、くゝれの出来た手首などが明歴ありありと浮き上って忘れられない。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)