“毒牙”の読み方と例文
読み方割合
どくが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、その狼の毒牙どくがは、法律にって、保護されている毒牙だった。今の世の中では、国家の公正な意志であるべき法律までが、富める者の味方をした。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そしてわずかな弱点を捜しあてて、そこに鋭い毒牙どくがを働かせ始める。壁がやがて破れたと思うと、もう簔虫のわき腹に一滴の毒液が注射されるのであろう。
簔虫と蜘蛛 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
われはなんじ毒牙どくがにかかり、非業にも最期をとげたる、月丸が遺児わすれがたみ、黄金丸といふ犬なり。彼時かのときわれ母の胎内にありしが、そののち養親やしないおや文角ぬしに、委敷くわしき事は聞きて知りつ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)