希望きばう)” の例文
ところ杉原すぎはらはうでは、めう引掛ひつかゝりから、宗助そうすけ此所こゝくすぶつてゐることして、いて面會めんくわい希望きばうするので、宗助そうすけやむつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そして、先生せんせいた、一心不亂いつしんふらん此精神このせいしんもつ兒童じどうみちびき、何時いつたのしげにえ、何時いつ其顏そのかほ希望きばうかゞやいてました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ゆゑこの攝養法せつやうはふひろおこなはれ、戰後せんごてふ大任たいにんへるわが國民こくみん體力たいりよく一層いつそう強固きやうこならしめ、各自かくじ職責しよくせき遺憾ゐかんなく遂行すゐかうせられんことをふか希望きばうするところなり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
青木さん夫婦ふうふはこのごろにないりのある、明るい氕持きもちで、希望きばう信頼しんらい笑顏えがほたがひにぢつと見交みかはし合つた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
卯平うへいふたゝ煙管きせるくちにして沈默ちんもくした。みなみ亭主ていしゆ勘次かんじ卯平うへいせま戸口とぐちみちびいた。勘次かんじ平常いつもならば自分じぶんこゝろからけつして形式的けいしきてき和睦わぼく希望きばうしなかつたはずである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
どもたちをおもふと、わたしは幸福かうふくかんじます。わたしは希望きばうかんじます。どもたちをとほしてのみ、まこと人間にんげん生活せいくわつは、その意味いみわかるやうに、わたしにはおもはれます。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
國曾議員こくくわいぎゐん椅子いすにならべて生涯しやうがい希望きばうひとつにかぞへいるゝ學生がくせいもありけり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
正月しやうぐわつまへひかえたかれは、實際じつさいこれといふあたらしい希望きばうもないのに、いたづらに周圍しうゐからさそはれて、なんだかざわ/\した心持こゝろもちいだいてゐたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
來年らいねんはこれよりもうつくしい初日はつひをがみたいものだ。』とつた言葉ことば其言葉そのことばかたおぼえてて、其精神そのせいしんあぢはうて、としとも希望きばうあらたにし
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それかれうちかへつたならばしるはどうでも、飯臺はんだいなかはまだ十ぶん暖氣だんきたもつてるだらうといふ希望きばういだいて、かないことにまではおもいたらなかつた。重箱ぢゆうばこはもうえてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なるほどわかりました、ちからです、です、そしてじつまた希望きばうです、ぼく貴殿あなた大島小學校おほしませうがくかう出身しゆつしんであることを感謝かんしやし、ほこらるゝことを、當然たうぜんおもひます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
何々なに/\もの希望きばうだから、せませうとかがうして、品物しなものつてつたぎり、かへしてない。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かん/\とこほつてかねしづんだ村落むら空氣くうきひゞわたつた。希望きばう娯樂ごらくとにそゝのかされてつて老人等としよりら悉皆みんなひだりげて撞木しゆもくたゝいてかねひびきおくれるないそげ/\とみゝいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)