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京師
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けいし
ふりがな文庫
“
京師
(
けいし
)” の例文
「
姐
(
あね
)
ご、あいつは関東方で」「そうかい、それじゃア引っこ抜いてやろう」「おっとおっと今度はいけない、あのお侍さんは
京師
(
けいし
)
方で」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
京師
(
けいし
)
の地子銭を免除したり相当政治的なことをやった以上、信長を殺せば後は野となれ山となれ的な棄鉢でやった事ではない。
山崎合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
詩の作者
頼三樹三郎
(
らいみきさぶろう
)
のことで、
旧臘
(
きゅうろう
)
廿五日、頼は
梅田雲浜
(
うめたうんぴん
)
老女村岡ら三十余人とともに
京師
(
けいし
)
から護送されて、正月九日江戸着
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
過日
京師
(
けいし
)
へ差出し下され候由
是
(
これ
)
亦
(
また
)
謝し奉候。
扨
(
さて
)
阿波へも
遣
(
つかわ
)
し
度
(
た
)
く先に
之
(
これ
)
有
(
あ
)
り候五、六部も拙方へ御遣しの程
希
(
ねが
)
ひ申上候云々。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「皆死んだよ。城中の男女数百人を
櫓
(
やぐら
)
に置いて自ら火をかけ、党類三十余人は
誅
(
ちゅう
)
せられて首を
京師
(
けいし
)
に送った——とある」
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
去る程にその折ふし、筑前太宰府、
観世音寺
(
かんぜおんじ
)
の仏体奉修の為め、
京師
(
けいし
)
より
罷下
(
まかりくだ
)
り候ひし、
勝空
(
しょうくう
)
となん呼ばるゝ
客僧
(
かくそう
)
あり。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかも大石自身は、後を清くして立つためには何かと用事もあって、そうきゅうに
京師
(
けいし
)
を引払うわけにも行かない。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
僕もと
京師
(
けいし
)
の産、先年他国へ参り夜とともに身の上
咄
(
ばな
)
しを致せしが、物語りの続きに、その時は私も、ちゃっちゃむちゃくでござりました、といいたれば
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
伯州
(
はくしゅう
)
、
雲州
(
うんしゅう
)
、人狐と呼ぶもの、漢名いまだつまびらかならず。先年、松江侯この獣を
京師
(
けいし
)
に上せ、漢名をたずねさせたまえども、知る者なかりしと伝え聞く。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「貴公たちは、木曾義仲の
幕下
(
ばっか
)
として、
京師
(
けいし
)
に入り、われらは、頼朝公の東国兵と共に、平家の本拠をついて都へなだれ入った。——たしかあの年だったかなあ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
未
(
いま
)
だ
幾
(
いく
)
ほどもあらざりき、
天下
(
てんか
)
大
(
おほい
)
に
亂
(
みだ
)
れて、
敵軍
(
てきぐん
)
京師
(
けいし
)
に
殺倒
(
さつたう
)
し、
先
(
ま
)
づ
婦女子
(
ふぢよし
)
を
捕
(
とら
)
へて
縱
(
ほしいまゝ
)
に
凌辱
(
りようじよく
)
を
加
(
くは
)
ふ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
礼闈とは礼部の試のことで、各省の挙人、即ち郷試の及第者を
京師
(
けいし
)
に集めて挙行するいわゆる科挙のことであるが、それは礼部で掌っているから礼闈というのであった。
陸判
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼女について最もはやく書かれたものと思われる林
長孺
(
ちょうじゅ
)
の紀文では「烈婦蓮月」となっていて、漢文を書きほぐしてみると、いまだその姓氏を
詳
(
つまびらか
)
にせず、
京師
(
けいし
)
の買人某の妻なり。
蓮月焼
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
古い一例を挙げれば清和天皇の御代
貞観
(
じょうがん
)
十六年八月二十四日に
京師
(
けいし
)
を襲った大風雨では
颱風雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
京師
(
けいし
)
の、
花
(
はな
)
を
翳
(
かざ
)
して
過
(
すご
)
す
上臈
(
じょうろう
)
達
(
たち
)
はいざ
知
(
し
)
らず、
天下
(
てんか
)
の
大将軍
(
だいしょうぐん
)
が
鎮座
(
ちんざ
)
する
江戸
(
えど
)
八百八
町
(
ちょう
)
なら、
上
(
うえ
)
は
大名
(
だいみょう
)
の
姫君
(
ひめぎみ
)
から、
下
(
した
)
は
歌舞
(
うたまい
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
にたとえられる、よろず
吉原
(
よしわら
)
千の
遊女
(
ゆうじょ
)
をすぐっても
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
而
(
しこう
)
してこれと同時に、その
股肱
(
ここう
)
間部詮勝
(
まなべあきかつ
)
を
京師
(
けいし
)
に
遣
(
つか
)
わし、以て朝廷の意見を飜えし、以て公卿中の非和親論者を威嚇し、而して京都にある横議の処士、
重
(
おも
)
なる攘夷論者、及び水戸派
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
前代の
宋
(
そう
)
元
(
げん
)
傾覆の
所以
(
ゆえん
)
を考えて、宗室の孤立は、無力不競の弊源たるを思い、諸子を
衆
(
おお
)
く四方に封じて、兵馬の権を有せしめ、
以
(
もっ
)
て帝室に
藩屏
(
はんべい
)
たらしめ、
京師
(
けいし
)
を
拱衛
(
きょうえい
)
せしめんと欲せり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これに反して場外の名は
京師
(
けいし
)
に騒いで、大中四年に宰相になった令狐綯も、温を引見して度々筵席に列せしめた。ある日席上で綯が一の故事を問うた。それは
荘子
(
そうし
)
に出ている事であった。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
鑑真
(
がんじん
)
とその徒が困難な航海の後に九州に着いたのは、大仏開眼供養の翌年の末であったといわれている。彼らが
京師
(
けいし
)
に入る時の歓迎はすばらしいもので、当時の高官高僧は皆その接待に力をつくした。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
賤女
(
しずのめ
)
の風はしているが
京師
(
けいし
)
の公卿に縁ある者、
己
(
おのず
)
と備わる品位と
美貌
(
びぼう
)
は、恥を含んで一層美しく、右門の眼にも見えるのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
鷲津松隠のつくった幽林の行状にも竹渓は父の
京師
(
けいし
)
にあって脚気を病んだ時その傍に侍していたことが記されている。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
すなはち従ひ来れる
馬士
(
まご
)
を養ひて家人となし、田野を求めて家屋
倉廩
(
そうりん
)
を建て、故郷
京師
(
けいし
)
に
音信
(
いんしん
)
を開きて万代の
謀
(
はかりごと
)
をなす
傍
(
かたわら
)
、一地を相して雷山背振の巨木を集め
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「時に太夫は
京師
(
けいし
)
を出発される前に妻子を離別してこられたと
承
(
うけたま
)
わるが」と、一人がまた言いだした。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
其国四通の地にして、
京師
(
けいし
)
に近く且つ足利殿数十代の余光をかりて起られしかば威光天下に及ぶ。
桶狭間合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
京師
(
けいし
)
の
張廣號
(
ちやうくわうがう
)
は、
人參
(
にんじん
)
の
大問屋
(
おほどんや
)
で、
聞
(
きこ
)
えた
老鋪
(
しにせ
)
。
銀座
(
ぎんざ
)
で
一番
(
いちばん
)
、と
云
(
い
)
ふづツしりしたものである。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
京師
(
けいし
)
に
応挙
(
おうきょ
)
という画人あり。生まれは
丹波
(
たんば
)
の
笹山
(
ささやま
)
の者なり。京にいでて一風の画を描出す。唐画にもあらず。和風にもあらず。自己の
工夫
(
くふう
)
にて。
新裳
(
しんしょう
)
を出しければ。京じゅう妙手として。
人の言葉――自分の言葉
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
彼が九年の
廃錮
(
はいこ
)
より起ち、幕府の徴命に応じ、和親開港、公武合体の政策を献じ、公武の間に奔走するや、吉田松陰によりて点火せられたる長防の尊攘党は、地を捲いて
京師
(
けいし
)
に推し寄せ
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
燕王こゝに
於
(
おい
)
て、
太息
(
たいそく
)
して曰く、
頻年
(
ひんねん
)
兵を用い、何の時か
已
(
や
)
む
可
(
べ
)
けん、まさに江に臨みて一決し、
復
(
また
)
返顧せざらんと。時に
京師
(
けいし
)
の内臣等、帝の
厳
(
げん
)
なるを
怨
(
うら
)
みて、燕王を
戴
(
いただ
)
くに意ある者あり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
李億を
始
(
はじめ
)
として、かつて玄機を識っていた朝野の人士は、皆その才を惜んで救おうとした。ただ温岐一人は方城の吏になって、遠く
京師
(
けいし
)
を離れていたので、玄機がために力を致すことが出来なかった。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「使者でござるッ。
京師
(
けいし
)
の使者でござる」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寛斎の門人柏木如亭もまた既に
京師
(
けいし
)
に没していたが、同門の大窪詩仏、菊池五山の二家はなお健在であった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
我ら再三
諫言
(
かんげん
)
したれど妖婦の甘言に
遮
(
さえぎ
)
られて益〻暗愚の振る舞いをされ、
京師
(
けいし
)
の
足利
(
あしかが
)
将軍にさえその名を知られたこの甚五衛門を、事もあろうに閉門をされ
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
意
(
こころ
)
蓋
(
けだ
)
し今の朝廷また建文を
窘
(
くるし
)
めずして厚く
之
(
これ
)
を奉ず可きをおもえるなり。
瑛
(
えい
)
はこれを聞きて
大
(
おおい
)
に驚き、
尽
(
ことごと
)
く
同寓
(
どうぐう
)
の僧を得て之を
京師
(
けいし
)
に送り、
飛章
(
ひしょう
)
して
以聞
(
いぶん
)
す。帝及び
程済
(
ていせい
)
も
京
(
けい
)
に至るの
数
(
すう
)
に在り。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
頭領大石内蔵助もいよいよ十月の七日には
京師
(
けいし
)
を発足した。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
江戸名家の文にして墨水桜花の美を賞したものは枚挙するに
遑
(
いとま
)
がない。しかし
京師
(
けいし
)
および吉野山の花よりも優っていると言ったものは恐らく
松崎慊堂
(
まつざきこうどう
)
のみであろう。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
……これでは幕府の存在は、有害であって無益ではないか! すべからく天下に罪を謝し、
政治
(
まつりごと
)
を
京師
(
けいし
)
へ奉還し、天皇様御親政の日本本来の、自然の政体に返すべきじゃ!
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
雲如は江戸の商家に生れたが
初
(
はじめ
)
文章を
長野豊山
(
ながのほうざん
)
に学び、後に詩を
梁川星巌
(
やながわせいがん
)
に学び、家産を
蕩尽
(
とうじん
)
した後一生を旅寓に送った奇人である。晩年
京師
(
けいし
)
に留り遂にその地に終った。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「ほほう、それでは、その方は、いつぞや
京師
(
けいし
)
を荒らし廻わった盗人の筑紫権六であったか!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……第一番に云って置きたいことは
俺
(
わし
)
が旅行家だということです。——俺は肥前の長崎にもおりまた大坂にもおりました。また
京師
(
けいし
)
にも名古屋にもあらゆる所におりました。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……和歌山、岸和田に関わる
裁判
(
さばき
)
、
京師
(
けいし
)
妖巫
(
ようふ
)
の逮捕などに、明察を揮われた先生の眼も、今はすっかり眩んでいるらしい。獅子身中の虫をさえ、観破することさえお出来なさらない。では……
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“京師”の意味
《名詞》
都。帝都。
《固有名詞》
「京都」の異称。
(出典:Wiktionary)
京
常用漢字
小2
部首:⼇
8画
師
常用漢字
小5
部首:⼱
10画
“京”で始まる語句
京都
京
京極
京城
京洛
京伝
京橋
京阪
京童
京畿