“遑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いとま88.3%
ひま5.0%
あわただ3.3%
あわ2.1%
いと0.4%
いとまな0.4%
すき0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近き頃森田草平もりたそうへいが『煤煙ばいえん小粟風葉おぐりふうようが『耽溺たんでき』なぞ殊の外世に迎へられしよりこのていを取れる名篇佳什かじゅう漸く数ふるにいとまなからんとす。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ッと一同が首をすくめるひまもあらばこそ、機関銃がパッと空中にねあがり、天井てんじょうに穴をあけると、どこかに見えなくなりました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし、今日の生活はあわただしく、変化が激しく、混んだ電車一つに乗るにしても、実際には昔風の躾とちがった事情がおこって来ています。
新しい躾 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「うん。一しょに往くよ。」坊ちゃんはあわてて格子戸から降りて、下駄を穿いて、よしやのあとを追うようにして、走って出掛ける。
御母さんの弁舌は滾々こんこんとしてみごとである。小野さんは一字の間投詞をさしはさいとまなく、口車くちぐるまに乗ってけて行く。行く先はもとより判然せぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さては往来ゆききいとまなき目も皆ひかれて、この節季の修羅場しゆらばひとり天下てんかくらへるは、何者の暢気のんきか、自棄やけか、豪傑か、さとりか、酔生児のんだくれか、とあやしき姿を見てすぐる有れば、おもてを識らんとうかがふ有り
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と声をたてるすきもなく
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)