“いとま”のいろいろな漢字の書き方と例文

カタカナ：イトマ

語句	割合
暇	69.4%
遑	29.1%
隙	0.4%
糸巻	0.3%
間	0.3%
閑	0.3%
告別	0.1%
營	0.1%

暇

「それが、親分さんの信用でございます。あまり遅くなると店の方が面倒になりますから、これでお暇（いとま）いたします。それではどうぞ」

銭形平次捕物控：020 朱塗の筐 (新字新仮名) ／ 野村胡堂(著)

遑

其他生理学上に於て詳（つまびらか）に詩家の性情を検察すれば、神経質なるところ、執着なるところ等、類同の個条蓋し数ふるに遑（いとま）あらざる可し。

厭世詩家と女性 (新字旧仮名) ／ 北村透谷(著)

隙

彼は片手で隙（いとま）を命じて、また書き物にとりかかった。

ジャン・クリストフ：04 第二巻　朝 (新字新仮名) ／ ロマン・ロラン(著)

糸巻

妹（いもうと）は、唄（うた）にもあきてくると、懐（ふところ）から、紅（あか）い糸巻（いとま）きを出（だ）して、その糸（いと）を解（と）いて、銀（ぎん）の棒（ぼう）で編（あ）みはじめていました。銀（ぎん）の棒（ぼう）は日（ひ）の光（ひかり）にきらきらとひらめきました。

灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) ／ 小川未明(著)

間

彼は幾（ほとん）どこの女の宮ならざるをも忘れて、その七年の憂憤を、今夜の今にして始て少頃（しばらく）も破除（はじよ）するの間（いとま）を得つ。

金色夜叉 (新字旧仮名) ／ 尾崎紅葉(著)

閑

さらばその人は作業（なりはひ）に^七九うときゆゑかと見れば、夙（つと）に起きおそくふして^八〇性力（ちから）を凝（こら）し、西にひがしに走りまどふ^八一蹺蹊（ありさま）さらに閑（いとま）なく、その人愚（おろか）にもあらで才をもちふるに^八二的（あた）るはまれなり。

雨月物語：02 現代語訳　雨月物語 (新字新仮名) ／ 上田秋成(著)

告別

かれこれ四五十日がほどは帰省の機会（おり）を得ざるべく、しばしの告別（いとま）かたがた、一夜（あるよ）帰京して母の機嫌（きげん）を伺いたり。

小説　不如帰　 (新字新仮名) ／ 徳冨蘆花(著)

營

女房が死んで百ヶ日も營（いとま）まないうちに、後添の話でもあるまいと言ふのと、お角には先の亭主の子で、四つになる幸三郎といふ伜があるので、いづれ年でも明けたら、幸三郎を里にやつて

銭形平次捕物控：081 受難の通人 (旧字旧仮名) ／ 野村胡堂(著)