“少頃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しばし50.0%
しばらく50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
通し物は逸早いちはやく満枝が好きに計ひて、少頃しばしことば無き二人が中に置れたる莨盆たばこぼんは子細らしう一ちゆう百和香ひやつかこうくゆらせぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
白鞭を以て地を築いてあなと成す、虫を中に置き、その上に沃盥よくかんす、少頃しばし蠕々ぜんぜん長きがごとし、竅中きょうちゅう泉湧き、倏忽しゅっこつ自ずからわだかまる、一席のごとく黒気あり香煙のごとし、ただちに簷外えんがいに出で
「其はまた何といふわけでござらうの。」とすまして、例の糸をる、五体は悉皆しっかい、車の仕かけで、人形の動くやう、媼は少頃しばらくも手を休めず。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼はほとんどこの女の宮ならざるをも忘れて、その七年の憂憤を、今夜の今にして始て少頃しばらく破除はじよするのいとまを得つ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)