“あわただ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アワタダ
語句割合
69.0%
12.5%
8.2%
3.4%
周章3.0%
慌忙0.9%
0.4%
0.4%
急忙0.4%
急遽0.4%
躁忙0.4%
連忙0.4%
驚惶0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時代も環境かんきょうも、また戦争一本によってうごいていたときだったので、風に吹きまくられるようなあわただしい気持で、大陸へ従軍したり
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
あわただしさ、草から見れば涙である。然し油断してうっかり種をこぼされたら、事である。一度落した草の種は中々急にり切れぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
こんな風に書いていると長い様だが、舞台が明るくなってから、怪物の姿が木戸口の外に消えるまで、僅々きんきん二三十秒のあわただしい出来事であった。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それきり電話もかからず、何となしあわただしい気分が分るようだ。気分と云えば、このひとの字のくずれかたはひどくてすこしおどろく、この頃。
坂口は霎時の間、闇の中に棒立になっていたが、次の瞬間に伯父は、北に向って走っている小径を、周章あわただしく歩去った。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
母は不図思起してや、さも慌忙あわただしげに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
伯母はハイと手紙を取りて兄へ渡すに伯父がそれ渡してはと争いかけしも力及ばず、本家の父あわただしく手紙を読み下し
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
あわただしく拾おうとする姫のうつむいた背を越して、流れる浪が、泡立ってとおる。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
日がむしくひ、黄色い陰鬱の光のもとにまだ見も知らぬ寂しい鳥がほろほろと鳴き、曼珠沙華のかげをいたち急忙あわただしく横ぎるあとから、あの恐ろしい生膽取は忍んで來る。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
かうやつてかうすると言ひながら急遽あわただしう七分三分に尻端折しりはしをりて、そんなゆわひつけなんぞよりこれが爽快さつぱりだと下駄を脱ぐに、お前跣足はだしに成るのかそれでは気の毒だと信如困り切るに、好いよ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
去る者の躁忙あわただしさと送る者の頼り無さと、それからかもされる一種の淡い哀愁のみが彼の心を満した。
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
四八じゆこそ鬼になり給ひつれと、連忙あわただしく逃げさりぬるのちは、よな々里に下りて人を四九驚殺おどし、或は墓をあばきてなま々しきかばねくらふありさま、まことに鬼といふものは昔物がたりには聞きもしつれど
「お梅さんどうかしたのですか」と驚惶あわただしくたずねた。梅子はなおかしらを垂れたまま運ばす針を凝視みつめて黙っている。この時次の
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)