“松崎慊堂”の読み方と例文
読み方割合
まつざきこうどう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
江戸名家の文にして墨水桜花の美を賞したものは枚挙するにいとまがない。しかし京師けいしおよび吉野山の花よりも優っていると言ったものは恐らく松崎慊堂まつざきこうどうのみであろう。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ただ一人ひとり、木曾福島の武居拙蔵たけいせつぞう、その人は漢学者としての古賀侗庵こがどうあんき、塩谷宕陰しおのやとういん松崎慊堂まつざきこうどうにも知られ、安井息軒やすいそっけんとも交わりがあって、しばらく御茶おちゃみず昌平黌しょうへいこうに学んだが
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
後世の註疏ちゅうそによらずに、ただちに経義をきわめようとする仲平がためには、古賀より松崎慊堂まつざきこうどうの方が懐かしかったが、昌平黌に入るには林か古賀かの門に入らなくてはならなかったのである。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)