龍吐水りゅうどすい)” の例文
新字:竜吐水
その棒で日本で言えば龍吐水りゅうどすいで水を突くような具合にシュウッシュウッとき上げき下げるその力は非常なもので、我々にはとても出来ない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「いや、断じて渡すことは相成らん。いつまでもその辺にまごまご致していると、龍吐水りゅうどすいを浴びせかけるから左様心得ろ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
煙火はなびのように地上をぶん廻り、切り口から、龍吐水りゅうどすいからほとばしる水のように、血が迸り、紙帳へかかるのが見えた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
長い塀がつづいて、納屋なやのような建物の天井に龍吐水りゅうどすいの箱や火事場用の手桶なぞがつってあった。
抱茗荷の説 (新字新仮名) / 山本禾太郎(著)
「四方の物見櫓は、火の見とも言う。一本ずつ龍吐水りゅうどすいを備えて、用心おさおさおこたりない」