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齷齪
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あくそく
ふりがな文庫
“
齷齪
(
あくそく
)” の例文
小事に
齷齪
(
あくそく
)
しない手を
拱
(
こま
)
ぬいで、頭の奥で齷齪しているのである。外へ出さないだけが、普通より
品
(
ひん
)
が好いと云って僕は讃辞を呈したく思っている。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これ等の
少
(
すこし
)
く失へる者は喜び、彼等の多く失へる
輩
(
はい
)
は憂ひ、又
稀
(
まれ
)
には全く失はざりし人の楽めるも、皆内には
齷齪
(
あくそく
)
として、
盈
(
み
)
てるは
虧
(
か
)
けじ、虧けるは盈たんと
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
なる程、人間が生きていたと云って、何も
齷齪
(
あくそく
)
として日記を附けて置かねばならないと云うものではあるまい。しかし日記に縛られずに何をするかが問題である。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
親の
命令
(
いひつけ
)
通りに結婚して臺所にばかり
齷齪
(
あくそく
)
してゐる自分はあまり
幸福
(
しあはせ
)
ではなさゝうだつた。
孫だち
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
「もっとも崇高なる天地間の活力現象に対して、雄大の
気象
(
きしょう
)
を養って、
齷齪
(
あくそく
)
たる
塵事
(
じんじ
)
を超越するんだ」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
寢たい時には寢て、起きたい時には起きて、北川のやうな機械的に時間に縛られて
齷齪
(
あくそく
)
しなくつてもいゝのだから。……藝術家の不規則な
生活
(
くらし
)
を責めるのは
沒分曉漢
(
わからずや
)
よ。私始終さう思つてゐるの。
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
今代芸術
(
きんだいげいじゅつ
)
の一大
弊竇
(
へいとう
)
は、いわゆる文明の潮流が、いたずらに芸術の士を駆って、
拘々
(
くく
)
として随処に
齷齪
(
あくそく
)
たらしむるにある。裸体画はその好例であろう。都会に
芸妓
(
げいぎ
)
と云うものがある。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“齷齪”の意味
《形容動詞》
齷齪(あくせく、古:あくさく、あくそく)
小さなことにこだわること。また、休む間無く仕事などをすること。
(出典:Wiktionary)
齷
漢検1級
部首:⿒
24画
齪
漢検1級
部首:⿒
22画
“齷”で始まる語句
齷促
齷齬
齷齰