)” の例文
旧字:
長人ナガビトを、其処の住民と考へる外に、大きくも、小くも、此土の人間の脊丈と余程違うた人の住みかとも考へたらしい。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「とし」と言ふ語が、米穀物の義から出て、年を表すことになつたと見る方が正しいと同じく、此と同義語の「よ」が、など言ふ義を分化したものと見られる。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
海岸の洞穴——恐ろしい風の通ひ路——から通ふ海底或は、海上遥かな彼岸に、さうした祖先以来の霊は、死なずに生きて居る。絶対のの国の聯想にふり替つて来た。
としといふ語が米又は穀物の義から出てトシを表す事になつたと見る方が、正しい様であるとおなじく、同義語なる「よ」が、など言ふ義を分化したものと見られる。
初春朝賀の式が行はれる時に、天皇が祝詞を下されると、群臣が其に御答へとして、寿詞ヨゴトを奉る。此は、天皇のを祝福すると同時に、服従の誓ひを新しくすることである。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
わがけたるを、夜深く覚ゆると言ふ懸け詞でもなくて、而も気分だけはやはりそれに這入つてゐる。言語の効果多い技術の対立してゐるのが、此歌の不統一感をなしてゐるのは、事実である。
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)