黒眼鏡くろめがね)” の例文
「おれは、あいつがほしいものだなあ。」と、黒眼鏡くろめがねのおじさんは、子供こどものように、三ちゃんのおおきなべいにとれています。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)
そういう声は、まぎれもなく白丘ダリアに違いなかった。どうしてこんな繃帯をしているのだろう。それに黒眼鏡くろめがねなんか掛けて……と不思議に思った。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
五十恰好の、あまり人相のよくない、痩せた、黒眼鏡くろめがねを掛けた男である。盲人かと思ったがそうでもないらしい。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
眼をやみてかけし黒眼鏡くろめがね——
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ああ、いいとも。みんなっていな。」と、黒眼鏡くろめがねのおじさんは、かえっていきました。そのつきは、みがきたてのかがみのようにあかるかったのです。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おれもれてくれないか?」と、ふいにそばから、こえをかけたものがあったので、びっくりしてかおげると、それは、黒眼鏡くろめがねをかけた紙芝居かみしばいのおじさんでした。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)