鹿柴ろくさい)” の例文
戻ろうとしたのは、やたらに鹿柴ろくさいみたいな枯れ木や竹が道をふさいでいたからだった。ところが、ちょいとまごつくと、縄やら何やらがすぐ足を取る。大酔していたせいもあろう。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが一八一五年六月十八日の夜におけるその道路のありさまであった。血はニヴェルの大道の上まで流れてきて、その大道をふさいでいる鹿柴ろくさいの前に大きな池をなしてあふれていた。
わが兵士きて鹿柴ろくさいを立つるなり人の国なる瀋陽しんやうの市
フランス軍は、壁の後ろや納屋の上やあなぐらの下など四方から、窓や風窓や石のすき間などを通して射撃されたので、鹿柴ろくさいを持ってきて壁や敵に火を放った。霰弾さんだんは火炎をもって応戦された。
けれと高倉山と上月城との間の谷々には、柵を植え、鹿柴ろくさいつらね、塹壕ざんごうや堀など、あらゆる防禦線が造られていて、それは一歩たりと向うの峰へ取りつくすべもないまでに構築こうちくされていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)