鳥取とっとり)” の例文
敦賀つるが大分おおいた名東みょうとう北条ほうじょう、その他福岡ふくおか鳥取とっとり、島根諸県には新政をよろこばない土民が蜂起ほうきして、斬罪ざんざい、絞首
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
街道を東に進んで右手に大山だいせんの美しい姿が見え出しますと、もう伯耆ほうきの国に入ります。県も鳥取とっとり県に移ります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
奥さんの父親はたしか鳥取とっとりかどこかの出であるのに、お母さんの方はまだ江戸といった時分じぶん市ヶ谷いちがやで生れた女なので、奥さんは冗談半分そういったのである。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
当時の僕の柔道友だちは西川英次郎一人だった。西川は今は鳥取とっとりの農林学校か何かの教授をしている。僕はそののちも秀才と呼ばれる何人かの人々に接してきた。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
またこの家族は、たよるべき親戚しんせきや知り合いが鳥取とっとりの町中に一人もありませんでした。
神様の布団 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ここ十年来、隠岐おき出雲いずも鳥取とっとりなど、各地を転戦また流浪しつつ、つねに寡兵かへいをもって毛利を苦しめ、旧主の尼子義久を、もう一度、世に出さんものと、涙ぐましき努力をいたしておりまする。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それやこれやで、鳥取とっとりの池田家と、岡山の池田家と御転封ごてんぽうに相成り、少将様こちらの御城に御移りから、家中に文武の道を励まされ、諸民に勤倹の法を説かせられて、第一に遊女屋は御禁制ごきんぜいじゃ。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
むかし、鳥取とっとりのある町に、新しく小さな一けん宿屋やどやが出来ました。
神様の布団 (新字新仮名) / 下村千秋(著)