“鰮(いわし)” の例文
あれは例の鰮(いわし)鯨で腰肉が素晴らしくおいしいのだが、あんな処女のように丸々とした腰を持っていながら、なかなかの薄情ものだ。
海豚と河豚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
ココア湯。菓子パン小十数個。塩センベイ一、二枚。夕。焼鰮(いわし)四尾。粥三ワン。フヂ豆。佃煮。ナラ漬。飴二切。巴里(パリ)浅井氏ヨリ上ノ如キ手紙来ル。
呉秀三先生 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
鰮(いわし)の罐詰(かんづめ)の内部のような感じのする部屋であった。低い天井と床板と、四方の壁とより外には何にも無いようなガランとした、湿っぽくて、黴臭(かびくさ)い部屋であった。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
カラガケ 鰮(いわし)を塩に漬けてから上げて汁を切り、さらに塩をまぶして圧搾したもの。正月の幸(さいわ)い木の飾りには欠くべからざるものとなっている(続壱岐島方言集)。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
鮭(さけ)の燻製(くんせい)、アンチョビーの塩漬、鰮(いわし)の油漬、ハム、チーズ、クラッカー、肉パイ、幾種類ものパン、等々がまるで魔術のように一時に出現して置き切れぬ程に並べられた光景を見ると
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
上総(かづさ)は 鰮(いわし)の
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
鯨には抹香(まっこう)鯨、槌(つち)鯨、つばな鯨、白鯨、ごんどう鯨、白長鬚鯨、長鬚鯨、鰮(いわし)鯨、座頭鯨、背美(せみ)鯨、北極鯨、小形鰮鯨など大分変わった種類があり、すなめり、いるか
海豚と河豚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
この鰮(いわし)鯨一頭で、乗組員一同の一ヵ月分の給料と賄費は儲けた。今回の出漁は、これでやめることにしよう。ということになって鮎川を出て四日目の夕、沖から帰港の途についた。
海豚と河豚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)