體中からだぢう)” の例文
新字:体中
そこへふとつた體中からだぢうの血が、鎖に循環めぐりを止められたので、顏と云はず胴と云はず、一面に皮膚の色が赤み走つて參るではございませんか。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、いくら身悶みもだえをしても、體中からだぢうにかかつた繩目なわめは、一そうひしひしとるだけです。わたしはおもはずをつとそばへ、まろぶやうにはしりました。いえ、はしらうとしたのです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)