騒擾さうぜう)” の例文
旧字:騷擾
既に社会の裏面に普及しつつあるかは時々じゝ喧伝けんでんせらるゝ学生、農民、労働者の騒擾さうぜうに依りて、乞ふ其一端を観取せられよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
自分は俯向うつむいて何か深く瞑想めいさうふけつてゐるのであつた。と、頭の上で何か、つひぞこの数年間に聞いた事のない、あるあわたゞしい騒擾さうぜうの音がしてゐるのに気が附いた。
(新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
幸に天皇様の御聖徳の深厚なのによつて、大なることには至らなかつたが、盗といふのは皆一揆いつき騒擾さうぜうの気味合の徒で、たゞの物取りといふのとは少し違ふのである。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
気候が寒く、その間に Hitlerヒツトレル騒擾さうぜうがあつたりして、川べりにも来ずにゐた。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
会津藩鈴木丹下の「騒擾さうぜう日記」には
過般くわはん篠田長二除名の騒擾さうぜうありし以来、信徒の心を離れ離れとなりて、日常つね例会あつまりもはかばかしからず、信徒の希望のぞみなる基督降誕祭クリスマスさへきはめて寂蓼せきれうなりし程なれば
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)