馴養じゅんよう)” の例文
人知によって馴養じゅんようされ類別され冷やかに定列された世界のかたわらにもち出すと、それは粗野な動物界であり、自由な音響の世界である。
『史記』の匈奴列伝に、匈奴の先祖が、馬と驢のほかに、多少の野生種を馴養じゅんようした記事あるは上に引いた。
故に彼は慰撫馴養じゅんよう、あたかも驕児きょうじを遇する如く、その厄介をなさしめざらんと欲せり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
その動物性は、幾世紀もの文明によって馴養じゅんようされ、おりの中のみじめな獅子ししほどに愚鈍にされてはいるが、それでもやはり餌食えじきにあこがれている。
しかれども林園のうちを高飛朗吟せしめんと欲せば、必ずまずこの窮屈なる籠中の苦を忍受せしめざるべからず。しからざれば決してその性をして馴養じゅんようせしむることあたわざるなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そういう生活の実例は彼を馴養じゅんようしていった。彼はオリヴィエにたいして激しい情愛を感じていた。そして彼の抑圧された情熱は、騒々しい夢想となってね上がった。
クリストフは勝手に馴養じゅんようされるような人間ではなかった。