饗宴きやうえん)” の例文
かれはたゞ饗宴きやうえんまねかれない局外者きよくぐわいしやとして、こときんじられたごとくに、またことまぬかれたひとであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ついこの二週間ばかり前のはなし、自分の第三の結婚式に臨む為めに上京して、その結婚披露の饗宴きやうえんの卓上での出来事、——それが、今何かの関係からふと頭の中に浮んで来たのである。
(新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
クリストは未だに大笑ひをしたまま、踊り子や花束や楽器に満ちたカナの饗宴きやうえんを見おろしてゐる。しかし勿論その代りにそこには彼のあがなはなければならぬ多少の寂しさはあつたことであらう。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「これや素的だ! 花を御馳走に饗宴きやうえんを開くのだ」
饗宴きやうえん楽器がくきとりどりかきいだき、自棄やけに、しみらに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
商人あきびとらの催せる饗宴きやうえん
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)