)” の例文
新字:
私は路々に白いものがぼれているのを、注意して見たが、それは蝶のはねの粉が、草に触れ木になすられて、散ったように、よどんでいるのであるが、よく見ると例の灰である
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
杜鵑ほととぎすがしきりに啼く、湯治の客が、運んだぼれ種子からであろうが、つがの大木の下に、菜の花が、いじけながらも、黄色に二株ばかり咲いていた、時は七月末、二千米突メートルの峠、針葉樹林の蔭で!
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)