飜案ほんあん)” の例文
新字:翻案
気違い病院に放り込むなど、まるで涙香小史しょうし飜案ほんあんする所の、フランス探偵小説みた様な、奇怪千万せんばんな犯罪すら行われているのだ。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
僕は前にこの日本にほんほまれ」を変な物だと報じて置いたが、其れは忠臣蔵の飜案ほんあんだと思へばこそ僕等日本人にその支離滅裂な点が目障めざはりになる物の
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ただ場所も東京になり物語も複雑になって、怪談は飯島家のお家騒動の挿話のようになっているが、了意の飜案ほんあんから出発したと云うことについては争われないものがある。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
河合武雄かあいたけおの公衆劇団が京都へ来た。一番目が『茶を作る家』と云う狂言だった。愛蘭土劇アイルランドげき飜案ほんあんしたものだった。友人の久米が、東京で見て、面白いから是非見ろと云うハガキを寄越して来た。
天の配剤 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
マウリス・アスランの三人の画家と忠臣蔵を飜案ほんあんした新劇「日本にほんほまれ」を観につた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
これが牡丹燈籠の原話げんわ梗概こうがいであるが、この原話は寛文かんぷん六年になって、浅井了意あさいりょういのお伽婢子とぎぼうこの中へ飜案ほんあんせられて日本の物語となり、それから有名な円朝の牡丹燈籠となったものである。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)