飛過とびすぐ)” の例文
横浜! 横浜! とあるひは急に、或はゆるく叫ぶ声の窓の外面そとも飛過とびすぐるとともに、響は雑然として起り、ほとばしづる、群集くんじゆ玩具箱おもちやばこかへしたる如く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かかるひまにも常はただ一毛に値する一秒の壱銭乃至ないし拾銭にも暴騰せる貴々重々ききちようちようの時は、速射砲を連発つるべうちにするが如く飛過とびすぐるにぞ、彼等の恐慌は更に意言こころことばも及ばざるなる。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)