願書がんしょ)” の例文
取調役はそれをひらいて、いちの願書がんしょと引き比べた。いちの願書は町年寄まちどしよりの手から、取り調べの始まる前に、出させてあったのである。
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
もっともあらかじめ仇打ちの願書がんしょを奉ることを忘れていたから、褒美ほうび沙汰さただけはなかったようである。そのの伝吉を語ることは生憎あいにくこの話の主題ではない。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何とかして、ここに入れて貰いたいものだと願書がんしょを出したが、情ないことに入学不許可になった。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
やがてその返事が来て埼玉県令十号の十三条に六十日の病気欠席は全俸ぜんぽう願書がんしょ診断書付しんだんしょつき)
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
御意ぎょいでござりまする。お菓子をつかわしまして帰そうといたしましたが、いちと申す娘がどうしてもききませぬ。とうとう願書がんしょ
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「太郎兵衛の娘両人とせがれとがまいりまして、年上の娘が願書がんしょをさし上げたいと申しますので、これに預かっております。御覧になりましょうか。」
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)